スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

きよしこ

「きよしこ」    重松清 作    新潮文庫

読んでいて・・・温かく、なつかしい気持ちになれる。

もうちょっと、いっしょにいたいような気分である。

舞台は、岡山県・・・なのだろうか?

白石きよしという、吃音の少年の・・・転校の多い少年の・・・成長と、自立の物語。

 

たまたま、これを読みかけていた時、

朝日新聞の「いま子どもたちは」に、「強敵キッツオー」が載り・・・

   ・・・吃音の自分と向き合う、ヒカル君のことを知った。

作者の前書きの・・・

 「まだ会ったことのない誰かのそばに置いてもらえることを願って、お話を書く

・・・の誰かと、ヒカル君が重なり ・・・

そして私も・・・この本を自分のそばに置いておきたいと思った。

    GEDC0019.JPG 

私は、父母の病院の待ち時間に、本を読むことが多いのだが・・・、

  これは、文庫本を読むときにかけるカバーの、すぐれもの。

  閉じると、真ん中のチョウの形の部分が、ページに挟まれて栞となる。

文庫と、新書用である。 (東急ハンズで、買ってきた)

    GEDC0018.JPG

ブログを書くならBlogWrite
スポンサーサイト

「仁淀川」・「湿地帯」

近所の読書家が、また宮尾登美子の作品を2冊持ってきてくれたので、読む。

高知に、行ってみたくなる・・・22才の頃、一度行ったのだが、あまり記憶がない。

「 仁淀川 」   宮尾登美子 作

これも、宮尾登美子の自伝的作品。綾子・岩伍・喜和・・・も、登場。

満州引き揚げ後の、高知の農村にある夫の生家での暮らしが題材。

綾子を通して、宮尾登美子のたどった道が見えてくる。

 

             仁淀川 決定.jpg

 

「 湿地帯 」  宮尾登美子 作

  これは、ミステリーなのか、恋愛小説なのか。

  官民癒着の薬事業界を舞台にした社会派ミステリーのようで、おもしろく読み進むことができる。

  それだけに、結末があまりにあっけない。

   前半に提起した問題に、答えが出ないまま終わってしまったような読後感が残る。

    

      湿地帯決定.jpg

 

 

ブログを書くならBlogWrite

運命の人

「運命の人」 一~四    山崎豊子 作

昭和47年、沖縄返還一年前に起こった「外務省機密漏洩事件」が、題材。

   沖縄返還にあたって、日米間で取り交わされた密約。

   それを、を糺彈した新聞記者の逮捕。

   第一審で無罪となるが、最高裁で有罪が確定した。

時の政権の面子、取材ソースである外務審議官付きの女性秘書、

密約を掴んだ取材方法・それぞれの家族たち・・・・・・

  「知る権利」の問題か、情交を通じての取材という倫理の問題か。

報道の方向性を見失うジャーナリズム・・・

      さすが、山崎豊子の作品、読み応えがあった。

四巻では、舞台が沖縄に移る。

オキナワを取材することで主人公は、記者としてのアイデンティティーを取り戻していくのだが・・・

・・・ここでは、裁判を中心に据えた三巻までとは、テーマが変わったように思えた・・・。

      GEDC0367.JPG

最近、テレビでも沖縄返還の密約は、いろんな視点で取り上げられている。

     この裁判が問うものは、何か?

それは、むしろ沖縄や密約ではなく・・・「知る権利」・「報道の自由」なのでは・・・。

  今日、ウィキリークスなどが投げかけた問題にも通じる・・・分野である。

「白い巨塔」・「華麗なる一族」・「不毛地帯」・「大地の子」・「沈まぬ太陽」・・・

   ・・・その取材の膨大さを考えるとき・・・

   山崎豊子の作品は、偉業としか言いようがない。 

 

 

 

ブログを書くならBlogWrite

銃・病源菌・鉄

「銃・病源菌・鉄」 上下  ~ 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎

     ジャレド・ダイアモンド 作  倉骨彰 訳     草思社

 

新聞の書評を見て、興味を持った本である。

 

「白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、

私たちには自分たちのものといえるものがほとんどない。それは、なぜか?」

  この、ニューギニア人の青年の問いかけに、筆者は答えていく。

 

  銃・病原菌・鉄.jpg 銃・病原-2.jpg

 

現代の世界は、ユーラシア大陸系の民族の子孫たちが、富と権力を支配している。

  なぜ 世界は、富と権力がかくも不均衡な状態にあるのか。

  人類社会の歴史が、大陸ごとに異なる経路をたどった要因は何か。

それは、居住環境の差異によるもので、民族間の生物学的差異によるものではない。

  人種というものへのさまざまな先入観は、まちがっている。

 

  農耕を始めた人 と 始めなかった人。

  「銃・病源菌・鉄」 と スペイン人の新大陸上陸

  文字を作った人 と、借りた人

  なぜ、中国でなく ヨーロッパだったのか

 

人類社会の歴史は ・・・

  何が世界を形作り、何が未来を形作るかを教えてくれる。

  

 

 

 

ブログを書くならBlogWrite

「岩崎彌太郎

「岩崎彌太郎」 ー 「会社」の創造 ー         伊井直行 作  

 

大河ドラマ「龍馬伝」のおかげで、2010年は空前の龍馬ブームとなった。

ドラマの中で、語り手であり、坂本龍馬の引き立て役となっているのが、

   同じ土佐出身の、岩崎彌太郎である。

どう見ても・・・実像とは違うようで・・・

    岩崎彌太郎とは、どんな人物だったのか?

 

         岩崎弥太郎-小.jpg

 

この本を読んで、彌太郎の「虚構のイメージ」と「実像」が少し理解できた。

龍馬と彌太郎の出会いは、1867年、33歳と34歳とある。

子どもの頃からの顔見知りというのは、創作である。

岩崎彌太郎は、坂本龍馬 あるいは 渋沢栄一と比較して論じられ、

    その結果、政商として、悪役キャラクターとされることが多い。

この本では・・・・・・

    「資本主義」と出会い、「会社」という仕組みの中で、

       個人の力を発揮させる術を知っていた人

            ・・・そのように、岩崎彌太郎が検証されていく。

 

龍馬とは違うが、彌太郎もまた、時代を翔ける悍馬であったことは、間違いがない。 

 

 

 

ブログを書くならBlogWrite

ゲゲゲの女房

 「ゲゲゲの女房」 ~ NHK朝ドラ (武良布枝 作)   

 

NHK朝ドラ 「ゲゲゲの女房」を、毎朝おもしろく見ている。 

   マンガというものが、今のように文化・芸術として市民権を得る以前の

   マンガ家の暮らしぶり、心意気が、あっけらかんとした明るさで伝わってくる。

貧しくとも、夢も希望もあって、前向きに生きている人々がいっぱい出てくる。

 ・・・・・・ いい時代である。 

 

             Image1-10_edited-1.jpg

 

なつかしい漫画雑誌も出てくる。

ドラマの中の 月刊「ゼタ」 ・・・ これは、きっと あの月刊「ガロ」なのだろう。

  学生の頃だった ・・・ その驚きをよく覚えている。

  少女マンガとは違う ・・・ こんなマンガもあるのだと思った 

 「カムイ伝」の白戸三平  林静一  つげ義春 ・・・ なつかしい ・・・ 。

あの頃の時代の熱さは、団塊の私たちには、忘れられないものである。

 

 

ブログを書くならBlogWrite

一絃の琴

「 一絃の琴 」         宮尾登美子 作

この本で、土佐の一絃琴というものを、初めて知った。

土佐という所は、つくづく興味深い土地柄だと思う。

    坂本龍馬の人気は、今に始まったことではないが、

    土佐の排出した、数多くの 興味深い人物の数々・・・

宮尾登美子も、その作品の中に描かれる土佐の人々も迫力がある。

 

幕末土佐藩の上士の娘 沢村苗 と 弟子 岳田蘭子の 一絃琴への情熱と確執

       ・・・・その生き方が描かれる。

 

    Image1-6.jpg

 

一絃の琴は、須磨琴とも言われ、 実際に、土佐の高知に 継承されたらしい。

ホーム・ページには、 「一絃の琴」の後半のヒロイン蘭子のモデルとなった

    人間国宝 秋沢久寿栄 と 一絃琴 の写真が ある。

一絃琴の音はどんなものだろうか・・・聞きたいと思った。

折しも、TV(BS)で  「蔵」 「陽暉楼」 「寒椿」  と映画化作品が放映され、

   宮尾登美子の世界に、浸ることができた。

ちなみに、私は今、二弦の琴である 「二胡」に はまっている。

ブログを書くならBlogWrite

火の魚(NHKドラマ)

「 火の魚 」 ・・・NHKドラマより    室生犀星 作

 

先日、NHK広島局制作のTVドラマ、「 火の魚 」を観た。

久しぶりに、心に残るドラマであった。

原作を読みたいと探したが、すでに絶版になっていた。

「 室生犀星全集 」(新潮社)を見ると、第11巻の中に見つかった。

 

実際に、同年に発表された「 蜜のあはれ 」の箱に刷られた、一匹の金魚の魚拓が出来上がるまでの いきさつを書いた小説である。

その中の「折見とち子」という婦人記者のデルとなったのは、当時 筑摩書房に勤務していた栃折久美子 である。

全集の中にあった月報に、その栃折久美子の「ギブスの音」という文章があった。

 

「蜜のあはれ」は2007年に、耽美的な金魚の写真とのコラボレーションで改訂版が作られている。

 

  Image1-3_edited-1.jpg   Image1-4.jpg

  2007年版「蜜のあはれ」     室生犀星 著    なかやまあきこ写真

 

原作を読んでみて、改めて TVドラマの素晴らしさが、理解できた。

瀬戸内海の島、 砂浜の絵、「幸福な王子」の影絵人形劇、 癌の再発、 バラの花束を持ってのお見舞い・・・、

原作にはない、そのどれもが 隙のないドラマの構成に役立っている と思った。

 

最近、地方発のドラマがおもしろい。

このように、しっかりと人間を描いたドラマを・・・また、観たいと思う。

 

ブログを書くならBlogWrite

国銅

 「 国 銅 」    ははきぎ蓬生 作    新潮社

   

752年(天平勝宝4年)、奈良 東大寺の大仏開眼供養が盛大に営まれる。

今から1250年前、奈良の大仏を建立した男たちの現場の物語。

 

大仏は3mの台座の上に、15mの高さ。一本の指だけでも、1mはある。

それを銅で造るために過酷な労働の日々を送った、名もなき人足たちがいた。

懸命に働き、野辺に散った「使い捨ての人足たち」を描いた 天平ロマンである。

 

DVC00019.JPG     DVC00020.JPG

 

長門周防地方の「奈良登り」と呼ばれる銅山で、銅を掘り出し、たたらを踏んで精錬して、極上の棹銅を作る。

    長門の銅が、最上だったのか?

そして14人が、銅を運ぶルートを・・・つまり、瀬戸内海を、難波津まで舟で上る。

    40日もかけて、舟を漕ぐのだ。

都で5年間、大仏の外型を焼き固め、鋳込み、再び型どりをして・・・開眼の日まで。

    大仏に群がる蟻のごとき、人足たちの苦楽。

年季が明けても、遠い故郷まで危険な道を、自力で帰らねばならない。

    賊、飢餓、病・・・とても帰り着くことは難しい。

そなたたちが、仏だ・・・自分の仏を持て・・・・・・ああ、仏とは、何か・・・。

 

 

ブログを書くならBlogWrite

沈まぬ太陽

「沈まぬ太陽」     山崎豊子   新潮社

 

 全5巻の大作だが、一気に読み終えた。

 アフリカ篇 上下、 御巣鷹山篇 、 会長室篇 上下、の三部五巻であるが、

作者の丁寧な取材が基盤となり、ドキュメントとしての、おもしろさに満ちている。

 山崎豊子の作品は、「白い巨塔」 、「不毛地帯」と、かつての話題作が、

最近またテレビドラマ化され、注目されている。

 「沈まぬ太陽」も、映画化されたことで、知人がわざわざ届けてくれたのである。

 今、日本航空の再建問題がニュースとなっているが、

その経営破綻の背景に、こんな魑魅魍魎がうごめいていたとは ・・・ 

 

    DVC00011.JPG

 

 520名の犠牲者を出した、日航ジャンボ機123便の墜落事故の現場と

遺族たちを取り上げた「御巣鷹山篇」は、いまさらながら衝撃である。

 事故後も続く、ドルの十年先物予約などの、政・官・財の癒着する腐敗の実態と、

その企業倫理のなさ ・・・ 親方日の丸経営の堕落ぶりは、言語に絶する。

 このような裏に隠された真実を暴く、作者の執念とエネルギーには敬服する。

まさに、・・・ 事実は、小説より奇なり ・・・である。

 

ブログを書くならBlogWrite
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。