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ライラック

ライラックの花の微かに匂ひたつ帰らざる日の罪おもふとき

 「ライラックの花が咲いたよ」と、小さな鉢を夫はテーブルに置いた。
 ハートの形の葉に、青紫の花である。

 そういえば、昔、家の庭に白いライラックが植わっていた。
 家族は、フランス風に「リラの花」と呼んでいた。

 リラとマロニエは、フランス映画によく見るパリを代表する街路樹である。
    幻に巴里の匂ひかぎませと多摩のみ墓にリラ奉る  堀口大学 

 ライラック    復活
        鉢に咲くライラック                   トルストイ「復活」

ライラックの花からの連想で、トルストイの「復活」を開いた。
 
  ライラックの茂みにかけ寄ると、彼女は花の散った白いライラックの枝を折り取って
           ・・・・・・・・・・・・・・
  この時から、ネフリュードフとカチューシャとの関係は一変して、純な青年と純な少女との
  互いに思い思われる、一種特別なものになってしまった。


 堕落するカチューシャ、罪を悔いるネフリュードフ・・・暗い筋立てのなかで、このライラックの茂みの場面だけが明るく輝いていた。
 ライラックの花は、いきいきとピュアな青春の象徴のように美しい。。
 ・・・・・そして、それは罪の始まりであった。


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遥かなる絆

「あの戦争から遠く離れて」    城戸久枝
    私につながる歴史をたどる旅    情報センター出版局

 昨年末に、近所の方が貸してくださった本である。
 その方は、自分の両親も引揚者なので、満州や中国残留孤児について書かれたものに興味があるのだと、言われてこの本を置かれていった。

  NHKで放送が始まった、土曜ドラマ「遥かなる絆」の原作である。
  第1回を見たが、以前見た「大地の子」の感動を思い出して、今後を楽しみにしている。

         遥かなる絆 

 日中の国交が断絶していた1970年に、文化大革命の中国から命がけで帰国した戦争孤児、それが作者の父、城戸幹(孫玉福)である。
 満州国軍の軍人であった祖父・・・祖母・・・父の養母、
 中国留学を契機にして自分自身につながる歴史に向き合っていく作者。

 大河の流れのような歴史の中で、その時代を懸命に生きた三世代のノンフィクション小説である。
 日本人孤児をわが子として育てる養母の姿が、胸を打つ。
 すべてに別れ、記憶にもない両親や祖国へ「帰ろう」とする強い意志・・・それを支えるものは何だったのだろうか?

 三世代にわたるノンフィクション小説といえば、ユン・チアン作「ワイルド・スワン」もぜひ併読してほしい。
 中国の軍閥時代から、文化大革命後までの祖母、母、自分という三世代の女性を描いた作品で、中国という国を改めて教えられる。
この本で、文化大革命の恐ろしを知ったから、そのさなかに日本に帰国することが、どれほど大変で命がけであったか理解できる気がしたのである。

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牡丹

 牡丹花は薄き花びら幾重にもうち重なりて臙脂色濃し

 牡丹・・・ぼたん・・・ぼうたん・・・
 幼い頃から、春の牡丹と秋の菊は、高貴な花だと思っていた。
 庭に咲いていたが、子どもには採る事が許されない花であったからだろうか。
 子どもの顔ほどもある大輪の花だったからだろうか。

 牡丹は木であるから、どんどん枝が増えて大きくなる。
 家の牡丹は、手入れをしないので花はつき放題、25ほども咲く。
 それはそれで、花はやはり美しい。

    子どもの頃からある牡丹                今年もらった温室育ちの牡丹
ぼたん3 ぼたん1

 牡丹の花のイメージは、楊貴妃という美女である。
 中国のあでやかさ、豊かさ、たっぷりとした美しさ・・・。

 きっと、楊貴妃を牡丹にたとえた詩の一節があった・・・と思った。
 白居易の長恨歌にちがいない・・・高校時代に暗誦させられた・・・。
 ところが・・・どこにも牡丹など出てこない・・・?
    太液の芙蓉 未央の柳
    芙蓉は面のごとく 柳は眉のごとし
 
 芙蓉・・・ふよう・・・・芙蓉とは、ハスの花のことである。
 楊貴妃は、ハスの花であった!

 では、牡丹は?私の楊貴妃は?
 イメージ形成の謎は、解けないままである・・・???

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万葉集

お久しぶりです!
父の入院や看護などで、時間の余裕も心の余裕も失くしてたけど、
やっと、今朝はパソコンの前に座っています。

毎朝の5分間、NHKの「日めくり万葉集」を見ている。
いろいろな立場の人が、それぞれの万葉集を語るのが、楽しい。
それを聞いてから一日を始めると、気分よく、いい一日になりそうに思える。

自分ならば、どの一首を選ぶだろうか・・・と考えたけれど、なかなか難しい。
  秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いづへの方にわが恋止まむ     磐姫              
  礒の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君がありといはなくに  大伯皇女
やはり、こういうドラマティックな歌かなあ・・・と思う。

本棚にあった古い本を、読み返している。
  謎の多い歌人である「柿本人麻呂」については、多くの本が書かれているが、
  山本健吉の「柿本人麻呂」は、何度も読み返してもよいと思える一冊だと思う。  

    万葉1     万葉2

  西郷信綱の「萬葉私記」は、1970年頃の若かりし私が、なけなしの金をはたいて買った懐かしい本である。
  あの頃、定価1500円が、とても高価に感じた。
  開くと、ところどころ傍線が引かれ、幼いとしか言いようのない字で書き込みがある。
  ・・・・・40年近くの歳月が、流れたのだなあ。
  そして変わらずに、1300年を経て色褪せない「万葉集」を読むことの・・・幸せに感謝する。

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